韓国の輸入通関で止まる書類 — HSコードと輸入要件の確認順序

船は着いたのに貨物が出てこない。通関業者からは「要件確認が必要です」とだけ連絡が来る。関税の話は事前に詰めてあったのに、止まっているのは別の理由です。輸入通関では税額の計算と、輸入してよいかの確認が、別々に走っています。

止まる理由は税金ではないことが多い

輸入通関には二つの流れがあります。一つは分類と評価、つまり品目をどう分類し、いくらの税を課すか。もう一つは要件確認で、その品目を輸入するために別の法令の確認が要るかどうかです。

荷物が港で止まるのは、多くの場合この二つ目です。税額は計算できているのに、確認が終わっていないので許可が下りません。

そして厄介なのは、要件があるかどうかはHSコードで決まることです。分類が変われば要件も変わります。つまり分類の話と要件の話は、別々に見えて根がつながっています。

要件がどの法令から来るかは品目によって違います。機械であれば安全に関わる区分、電気製品であれば電気用品の区分、圧力を扱う設備であれば高圧ガス関連の区分といった具合です。所管する役所が違えば、申請の窓口も所要日数も別になります。「要件確認が要る」とだけ聞いて日程を置くと、実際には二つの手続きが並行していた、ということも起こります。

HSコードは誰が決めるのか

輸入申告のHSコードを決めるのは、輸入者とその通関業者です。輸出者が日本側で使った分類は参考にはなりますが、そのまま採用されるとは限りません。

ここで差が出ます。同じ機械でも、日本の輸出申告と韓国の輸入申告で違う分類になることがあります。構造が複合的な機械、部品としても完成品としても見られる貨物、付属品を含む一式の出荷では特に起きやすくなります。

対処は単純で、輸入者側の分類を先に確認することです。分類が決まれば税率も要件も決まります。逆に、日本側の分類だけを前提に日程を組むと、根拠のない予定になります。

分類が割れやすい典型を挙げておきます。付属品を含む一式は、本体の分類で一括りにするのか、付属品を別に見るのかで割れます。据付用の部材は、機械の一部なのか鋼材なのかで分かれます。ソフトウェアやライセンスを含む取引では、価格のどこまでが貨物の価格なのかが論点になります。いずれも金額と要件の両方に効くため、見積の段階で内訳を分けておくと後の説明が楽になります。

確認する順番

実務としては次の順で押さえます。

順番確認すること誰に聞くか
1韓国側での適用HSコード輸入者・通関業者
2その分類の税率と協定適用の可否通関業者
3輸入要件の有無と所管通関業者
4要件がある場合の申請者と必要書類輸入者
5所要日数と申請の開始時期輸入者

この五つを船積前に確認しておけば、港で止まる理由はほぼなくなります。逆に、一つでも「たぶん大丈夫」で進めると、その項目が止める理由になります。

検査が入る場合もあります。書類だけで済むか、現物を見るかは、品目と申告の内容、そして輸入者のこれまでの実績によって変わります。現物検査になればコンテナを開けるため、日数と費用が追加されます。これは予測しきれない部分ですが、初回の取引では起きやすいと考えて日程に余裕を持たせておくのが現実的です。二回目以降は同じ品目であれば流れが速くなります。

書類の不一致で止まる場合

要件も分類も問題ないのに止まることがあります。原因は書類同士の食い違いです。

よく起きるのは次の三つです。インボイスとパッキングリストの数量差品名の表記違い重量の不一致。いずれも出荷側の作業で生まれ、輸入側では直せません。

特に分割出荷では起きやすくなります。当初のインボイスを流用して数量だけ直すと、総額や正味重量の修正が漏れます。船積書類を出す前に、三つの書類を並べて数字を突き合わせるのが確実です。

荷姿の表示も見落とされます。木材梱包を使う場合は消毒処理の表示が必要で、表示がなければ港で処置を求められます。処置には日数がかかり、その間の保管料も発生します。梱包業者に任せきりにせず、表示があるかを出荷前に確認しておく項目です。

原産地証明の扱いは別枠

関税を下げる手続きは、通関できるかどうかとは別の話です。原産地証明がなくても輸入自体はできます。税率が下がらないだけです。

ただし、申告の時点で書類が揃っている必要がある点は共通しています。後から出す方法もありますが、期限と手続きが決まっており、輸入者に手間が発生します。

日韓の間では協定の枠組みが限られるため、この判断は事前に済ませておくほうが確実です。詳しくはRCEP原産地証明の確認事項にまとめています。

誰が輸入者になるかで変わること

輸入申告をするのは韓国側の名義人です。買主が自ら輸入者になる場合と、国内の事業者を経由する場合で、必要な体制が変わります。

買主が直接輸入する場合、要件確認の申請者も買主になります。申請に必要な技術資料は輸出者が出しますが、手続きの主体は相手方です。つまり相手側の社内にその手続きを進める担当がいるかどうかが、日程を左右します。

初めて輸入する相手だと、この部分が抜けていることがあります。「輸入したことはありますか」ではなく「その品目を輸入したことがありますか」と聞くと、実態が分かります。

相手側の担当が分かれている点も見ておきます。購買、輸入、経理がそれぞれ別で、要件確認の申請は技術部門が持っていることもあります。窓口が購買だけだと、こちらの技術資料が申請する部署まで届かないまま日数が過ぎます。止まったときに誰に何を送ればよいかを、取引の初期に一度整理しておくと動きが速くなります。

費用の内訳を先に出しておく

通関で発生する費用は関税だけではありません。付加価値税、通関手数料、検査が入った場合の費用、保管料が乗ります。

見積の段階でこれらに触れていないと、相手側は本体価格だけで比較します。そして実際の支払額が上振れしたときに、こちらの説明不足として扱われます。

特に保管料は、止まった日数に比例して増えます。要件確認で一週間止まれば、その分がそのまま費用になります。止まる理由を減らすことが、そのまま費用を減らすことになります。

急いで直そうとすると長くなる

止まったときにやってはいけないのが、書類を差し替えて再申告することです。

一見すると早い解決に見えますが、申告内容を変更すると審査がやり直しになることがあります。数量の食い違いを直すつもりで新しいインボイスを送り、結果として審査が最初から走り、三日で済むはずが二週間になる——この形は実際によく起きます。

正しい手順は、まず何が理由で止まっているのかを文書で確認することです。理由が分かれば、必要な訂正は一箇所で済みます。理由を確かめずに書類を送ると、訂正のたびに審査が戻ります。輸入者と通関業者の間で、止まっている理由と必要な書類を一度文字にしてもらうのが最短です。

品目と想定するHSコードをお知らせいただければ、韓国側で確認が要る項目について見解をお返しします — 調達のご相談